WiMAXの端末「WX04」のスペック・レビュー

下り最大440Mbps対応!NEC製の国産WiMAXモバイルルーター「WX04」。
WiMAXのルーターは大きく分けてHuawei(ファーウェイ)製の端末と、国産NEC製の端末の2種類があります。WiMAXのモバイルルーター最新機種はHuawei製のW05ですが、国産NEC製の最新機種がこのWX04。

下り最大速度は440Mbpsと、最新機種W05の下り最大785Mbpsと比較して劣りますが、WX04専用クレードルには補助アンテナ機能があり、室内での電波受信を改善する効果があるようです。

今回、WiMAXの無料ルーターお試し・レンタルサービスであるTry WiMAXを利用して、クレードル付きのWX04を実際にレンタルして使用してみました。その結果をレビューします。

WX04の特徴

通信速度

WX04の下り最大通信速度440Mbps、上り最大通信速度30Mbpsに対応しています。いずれも「WiMAX 2+」回線を利用するハイスピードモード利用時の最高速度です。「au 4G LTE」回線を利用するハイスピードプラスエリアモードにも対応していますが、ハイスピードプラスエリアモードでも下り最大通信速度は440Mbpsで変わらず、上り最大通信速度は50Mbpsまで向上します。

通信モード

WX04が対応している通信モードは、「ハイスピードモード(WiMAX 2+)」と「ハイスピードプラスエリアモード(au 4G LTE)」の2種類です。
※ハイスピードモードは、WiMAXのギガ放題プランを契約すると月間通信データ量無制限で利用できる通信モードです。
※ハイスピードプラスエリアモードの利用にはオプション料金が発生するほか、月間通信データ量が7GBまでの上限があります。

バッテリー

WX04のバッテリー容量は3,200mAhで、Huawei製の機種(W05やW04)と比較すると容量が大きく、バッテリーの持続時間・連続通信時間等が長い点が特徴です。。

WX04のバッテリー性能
容量 3,200mAh
連続待受時間 約700時間 (休止状態・リモート起動有り)
連続通信時間 約690分(ハイスピードモード、ノーマル時)

3段階の省電力モード・ECO設定が可能

WX04は下記の3段階の省電力モード(ECO設定)があり、設定内容により通信速度やバッテリー消費度合いが変化します。

  • ハイパフォーマンスモード
  • ノーマルモード
  • エコモード

ハイパフォーマンスモードでは電力消費が進み、バッテリーの持続時間が短くなるものの、通信速度が最大化されます。充電可能な環境で特に活用したい設定。
ノーマルモードは初期設定のモードで、バッテリー消費と通信速度のバランスを重視したモードです。
エコモードでは、バッテリーの持続時間を長くするために通信速度を抑えます。(エコモードに設定するとかなり通信速度が遅く感じられます)

前機種WX03との比較

NEC製のWiMAXルーターのうち、WX04機種の1つ前の機種がWX03。比較すると、au 4G LTEを使用するハイスピードプラスエリアモードに対応できるようになった点がWX04での進化ポイントです。
WX04とWX03のスペックを比較すると以下のとおりです。

WX04 WX03
サイズ(高さ/幅/厚さ) 62/111/13.3(mm) 62/99/13.2(mm)
重さ 約128g 約110g
バッテリー容量 3,200mAh 2,890mAh
連続待受時間 約700時間(※1) 約1,100時間(※1)
連続通信時間(※2) 約690分 約600分
対応通信モード ハイスピードモード(WiMAX 2+) / ハイスピードプラスエリアモード(au 4G LTE) ハイスピードモード(WiMAX 2+)
通信速度 下り最大440Mbps/上り最大30Mbps ※ただしハイスピードプラスエリアモード利用時は上り最大50Mbps 下り最大440Mbps/上り最大30Mbps
Wi-Fi規格 IEEE802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz対応) IEEE802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz対応)
ディスプレイ 2.4インチ(320×240ドット)カラーLCD 2.4インチ(320×240ドット)カラーLCD
同時接続台数 Wi-Fi:最大10台/USB:1台/Bluetooth:3台 Wi-Fi:最大10台/USB:1台/Bluetooth:3台
カラーバリエーション 2色(アクアブルー/クリアホワイト) 2色(ホワイトゴールド/ディープブルー)
SIMカード au Nano IC Card 04 LE U au Micro IC Card(LTE)td>

※1 休止状態、リモート起動あり
※2 ハイスピードモード、ECO設定:ノーマル時

WX04クレードル(NAD34PUU)

WX04クレードル

WX04の専用クレードルは別売りのオプション商品になりますが、Wウィングアンテナと呼ばれる補助アンテナが装備されています。このアンテナによってWiMAX電波の受信感度が向上、室内・屋内でもインターネット接続しやすくなる効果を期待できると言われています。

今回、Try WiMAXを利用してWX04と専用クレードルをレンタルして、クレードルによる通信速度や電波の受信感度への効果を測定してみました。

クレードルによって実測速度や電波受信感度は改善するか?

結論でいうと、クレードル装着時の実測速度と、クレードル無しでの実測速度を測定して比較してみたものの、WiMAXルーター・WX04経由でのインターネット通信速度に明らかな差は見られませんでした。

測定した場所は、UQ WiMAXのピンポイントエリア判定でも「◯」となる、WiMAX2+圏内エリアにある自宅室内。もともと通信速度や電波受信に大きな問題がない場所です。

WiMAX 2+(ハイスピードモード)回線か、au 4G LTE(ハイスピードプラスエリアモード)かでそもそも実測速度が大きく違うため、それぞれの通信モードでクレードル有無による実測速度の変化を確認した実験結果が下記の表です。

クレードル有無による実測速度の変化

それぞれ3回ずつ測定した速度の平均を表に記載しています。なお、ECO設定は初期設定のノーマルモードのままです。

通信モード クレードル装着時 クレードル無し
WiMAX 2+(ハイスピードモード) 下り平均速度5.6Mbps 下り平均速度6.7Mbps
au 4G LTE(ハイスピードプラスエリアモード) 下り平均速度35Mbps 下り平均速度39Mbps

結果で言うと、むしろクレードルが無いほうが実測速度がやや高くなるという、不思議な結果となってしまいました。少なくとも今回実験した環境では、クレードルには速度改善効果がないため、追加購入しても意味がないオプションとなります。ただし、もう少し電波の入りにくい場所など、違うエリアで利用した場合はクレードルの効果が確認できるかも知れません。

まとめ

WiMAXの端末「WX04」はHuawei製のモバイルルーター機種(W05やW04)と比較するとバッテリーの持続時間の長さが特徴です。また専用クレードルには補助アンテナが付いていますが、効果を発揮するかどうかは利用場所によって変わります。このため、Try WiMAXなどで実際に効果を試してから購入されることをおすすめします。